輓曳見聞録

 

 帽子をかぶった小粋な兄ちゃんが、ジャグリングを披露していた。

      

 今日はこういう大道芸人日和だということなのだろう。ちなみにそのジャグリングは、「あー、頑張ってんなー」程度にしか思わなかった。もちろん、私はジャグリングなんぞできないが。

 さて、ひとしきり祭を楽しんだ後、いよいよ我々はタクシーで岩見沢競馬場へ。

 噂では「爺しかいない」と聞いていたが、そんなことはなく、家族連れ・若めの女なども結構おり、にぎわっていた。どうやらこの日は「ばんえいフェスティバル」なる特別な日だったらしい。何を祝っていたのかは全く不明。

 まず、目的の馬券を購入することに。ばんえい競馬には「連勝単式」があり、それだけに結構な配当がつくことも。我々は気合と念を込めてマークシートを塗った。買うのは、10レース「キロロ特別」、11レース「ばんえいプリンセス」。両方とも10頭立てレースである。

<10レース>

高橋(バルダンダース陣営)の購入馬券

単勝6、連単8−4(各200円)

連単1−2,5−4,5−7,8−2,9−3,9−7(各100円)

    

ゼファーの購入馬券

連単4,8,10のボックス(各500円)

   

 私の馬券の買い方が滅茶苦茶なのは、「バルダンダース」に占ってもらった結果のとおりに買っているからである。

 さて、ばんえい競馬のルールである。通常の競馬と大きく違うところは、

※200mの直線コースで、途中に小さな山と大きな山がある

 これを走りきるのに、何と2分もかかる。しかも途中で休みながら走る。休まねば完走できないくらい重労働なのだ。

※馬体ではなく、ソリの最後尾まできっちりと完走するとゴールとなる

 馬自身がゴールラインを通過してもゴールとみなされない。まだソリが通過しきっていないのに「ゴールした」と勘違いして休む馬もたまにおり、超絶大逆転もある。

※馬が走っているすぐ横を、観客がいっしょに走ることができる

 これは画期的。砂煙をあげながら走る、巨大な馬の迫力のある姿を間近に見ることができる。さらに、命がけで馬券を買っているおっさんなどは、馬に罵声を浴びせながら一緒に走る。馬本人はそれどころではない様子。フラッシュを焚くことは禁止されている。

     

 そんなわけで、「これは横を走らざるを得ないだろう」と、出走直前にコース横に移動。そしてレースは動き出す。

 とにかく、馬がでかい!! 見ているだけで力が入る。じっくりと力を溜め、大きな坂をググッと昇り、一気に駆け下りる。壮観だ。

 結局、このあと3(コウリュウオーザ)が7(ヤマトモンジュー)を刺しきり、3−7で決着。思ったより、面白い。というか楽しい。あの馬たちを見ていると、童心に還ったようになってしまう。会場全体も大興奮。

 ん…ちょっと待て、3−7だと?

A 全く当たっていないではないか。

B 3年7組ではないか。

 

うっかりホームまで戻ってしまう。

 


2005 ufy Takahashi