輓曳見聞録

 

 岩見沢行きの鈍行が来るのを待った。

      

 その間、江別駅ホームを探検。そこで見つけた、恐怖の階段がこちら。

 階段のくせに「昇らないで下さい」はないと思う。しかも4連打。どうやら4番ホームが階段の裏側にあるらしく、4番ホームを目指して階段を昇る者が絶えないことからこの注意書きがあるらしいが、もっと別の書き方があるだろう。

 列車が来たためこの階段を昇ることはできず、我々は鈍行に乗り込んで岩見沢へ。ゆったりした速度の列車から眺める大自然は最高。そして、こういう大自然の写真は無い、というところも最高。

 岩見沢駅に到着すると、ゼファーは「競馬場行きの直行バスがあるはず」と言う。しかし、どこを探してもそれらしいバスは見受けられず、ゼファーが駅の案内の人に訊いてみることに。

「岩見沢競馬場行きのバスはどこですか?」

「ああ、お昼までしか運行してないんだよねぇ。」

 な、なんだってー! 気合入れて1Rから見るジャンキー専用バスということなのか。しかし案内の人は、タクシーのおおよその料金まで教えてくれ、金をけちってタクシーに乗るかどうか考えている我々に、

「(競馬で)勝ってください(笑)」

 とエスプリの効いた冗談まで言ってくれた。本当にいい人であった。岩見沢は素晴らしい。

 タクシーで行くなら時間がある、ということで岩見沢駅周辺を探索していると、遠くに出店が出ている模様。なんか小さな祭をやっていた。結局何の祭かは分からずじまいであったが、食べ物がおいしかった。特に、ソフトクリーム。何と、「自分で巻き上げて下さい」というシステムなのだ。人の山でごった返す札幌の祭では考えられない。私は一も二もなく挑戦し、ソフトクリームだか脳味噌だかわからない異形の食い物が完成した。

「味はいっしょですから(笑)」

 という店の人の基本的なギャグが心地良い。岩見沢、いい街。

 ふと遠くを見ると、大きなホールがあり、たくさんの椅子に人が座って何かを見ていた。これがメインイベントなのだろうか。近づいてみると、そこでは、

A 帽子をかぶった小粋な兄ちゃんが、ジャグリングを披露していた。

B 公開処刑が行われていた。

 

うっかりホームまで戻ってしまう。

 


2005 ufy Takahashi